【下町FP】外貨建保険って有効な貯蓄になりえるのか?
銀行や保険のカウンターセールス、投資やセミナーでいまだによく勧められる商品に「外貨建ての生命保険」があります。その中で、勧められた方で『これは、お得な情報だっ!!』と思った方が外貨建て保険に加入をしています。どちらかと言えば、直観で加入している、利率目当てで入った方も多いでしょう。
その反面、残念ながら生命保険協会が発表した「外貨建て保険・年金に係る苦情受付件数」においては、に2014年度に922件だった外貨建て保険苦情件数が、2018年度には2,543件と、この時点でおよそ2.7倍にも増えています。
また僕が定期的に参加しているYahoo知恵袋でもカウンター窓口で外貨保険を高金利商品として勧められたが、どうしたらよいかとの相談が後を絶たないのです。契約してみたものの、ネットで調べて怖くなった方も多いのです。大事なことは契約前にいくつかの重要な点を確認することです。安易に確認サインをしてはいけません。
相続や資産運用を解決する手段として保険が推奨されたりしています。国内の外貨立て保険もあれば、より海外の利回りの高い保険への誘導もあり、問題解決の手段としてセミナーや大きな事務所を名のある会社や立地で、例えば銀座の一等地の事務所などや丸の内のセミナー会場でも金融機関やFPの方の主力販売商品になったりしているのです。
もうここまでくると個別案件の解決というよりは、あと10日でこの条件は終了ですとか、一括で2500万円納付できる富裕層?の方だけのチャンスですとか、40年後には3倍に成長していますなどのTVショッピング並みのセールスが日常でも行われているようです。
この背景には何があるのでしょうか?。 これは、保険と言うよりは投資運用商品です。日本は過去に前例を見ないような超低金利下であり、円建ての貯蓄型の保険利率も過去最低レベルとなっています。過去、高利回りだった円建ての保険商品や、養老保険などは、次々に販売中止に追い込まれているからです。
運用先がない・・・このため、日本よりも高金利国の通貨で運用することで、より大きな貯蓄効果が期待できるという理由をもって、外貨建て保険の販売が増えており、それに伴って苦情も増えているのです。
日本ではすでに低金利が長く続いており、ついに2016年2月には日銀がマイナス金利を導入しました。このインパクトで、日本国債も初めて利回りがマイナスになりました。こういった背景から、円建ての保険ではお金を増やし辛くなっているのです。あなたのお金の心配を解消してマネーストレスフリーを支援する下町FPの横谷です。
保険会社は、あなたの支払った保険料をどうやって運用しているのでしょうか?。保険会社の主な運用先は、安全な日本国債であり、国債の利回りがマイナスとなったために、逆に預けた資金が減ってしまう事態に陥りました。
そこで、保険会社は今までのようにお金を増やすことができなくなり、「外貨建ての国債」を活用した「外貨建ての生命保険」がいつの間にかメインの一押し商品になってしまったのです。
この「外貨建て生命保険」は、人気通りに買いなのでしょうか?。苦情件数を考えると、本当に近づかないほうが良いのかどうかを見ていきたいと思います。下町FPメルマガ講座は、FP視点からの簡単なワンポイントで情報を整理したお金のお得情報をお届け発信をしています。
手数料ビジネスの外貨保険なのか運用商品か
経済評論家の山崎元氏は、資産運用を考える方が決してやってはいけない事のひとつに、金融機関にお勧めを聞くことだと言っています。同感です。銀行窓口で資産運用の相談を行うと、真っ先に勧めてくるのは、銀行の販売手数料が群を抜いて高い「外貨建て保険」や「手数料の高い投資信託」になる傾向があるからです。
銀行の販売手数料からみると、「円建て保険」は保険料の2~3%、「投資信託」は基準価額の0~3%に対して、「外貨建て保険」は保険料の6~8%にものぼる魅力の高い手数料があるのです。こんな高い手数料を受け取れるのですから、販売側も必死になるわけです。この外貨保険の受取手数料は、あたりまえですが契約者の保険料から出ているのです。
保険料には、純保険料と付加保険料というものがあり、合算して契約者の支払い保険料になっています。純保険料は、生命保険会社が将来の保険金などの支払いに備える原資となる部分です。ところが付加保険料は、営業職員の人件費や宣伝広告費、保険契約の締結・維持管理などにかかる経費です。
「外貨建て保険」の苦情は、実は主に高齢者やその方の親族らが中心なのです。お金が増える聞いて加入したのにも関わらず、元本が保証されない。解約したとたんに大幅に減ってしまったなど、「外貨建て保険」の内容をよく分からずに契約をしてしまった方が多かったようです。
苦情件数は、氷山の一角であり、契約商品に対して十分に理解できていなく説明不足なのは明らかです。担当者の契約の進め方にも問題があったのでしょう。どうしても利益相反という問題が保険にはついてきます。
つまり加入を勧めることで得られる利益が、加入者の不利益につながる可能性があるという事です。この苦情件数の多さは、契約者が本当に納得して理解して行動した契約になっていない。契約優先を推進した結果を証明しているともいえます。
苦情の実態が露わになったことで、金融庁は販売方法の改善やガイドラインの策定を要請しました。現在は、対面販売での説明プロセスなどをキッチリ受けないと、申込めない保険になりましたが、高い契約金額・大きな受取手数料もあって、説明側の利益相反が起こりやすい状況には変わりはないと思います。
また司法書士や相続絡みの案件で提携している保険会社を紹介されて、断れなく加入はしたものの、お金が必要になり大幅な元本割れを起こしたなんてことも多々耳にします。ではどうすればよいのでしょうか?。理解できない商品に手を出さない、相手にお勧めを聞かない。自分の身は自分で守る覚悟を持つ、勧められるがままに加入しないことが重要なのです。
苦情=悪い設計だけだとは限りませんが、少なくとも「外貨建て保険」の仕組みやメリットとデメリットの両面をきちんと理解しておく必要があるでしょう。この保険は不確実性のリスクをたくさん含んでいるのです。
保険の特性を理解して判断する、または近づかない事
「外貨建て保険」を契約する時には、その設計"特性"を理解してから考えることが大事です。それでは、この"特性"について考えてみましょう。
まず外貨という以上、どうしても為替の影響を受けることです。将来の為替って誰も予測できません。よく「将来は円安に振れるから儲かる」とか「円だけ持つのはリスクです」などとセミナーで聞きますが、それと保険とは別物です。
外貨投資で儲けるのは、「円高局面で買って円安局面で売る」ことが大原則です。外貨を買う時点より売る時点のほうが円安であった場合、為替差益が発生してより利益が出ます。しかし、この逆に動いてしまうと100%確実に為替差損が生じてしまいます。
「外貨建て保険」もこの理屈は同様で、保険金等の受取や解約時が契約時よりも円安ならば、受取金額は増加しますし、円高であれば減少することになります。為替では年間数%の差異でも、長期で見れば20%~30%の変動も予測されます。
いくら高金利通貨による利回りが期待できても、為替相場の状況で一瞬に円換算の受取額が元本割れしてしまう可能性があるので、この特性もしっかりと理解する必要があります。
特に貯蓄をメインとしている外貨建ての保険には、あまり保険としての機能はありません。例えば死亡保障で言えば、事故などでの災害死亡には満期保険金と同額の死亡保険金が支払われるものの、一定期間中の病気死亡では解約保険料から1ドルも増える仕組みでなかったりと、複雑な仕組みがあったりします。
例え保険金や解約返戻金を受け取れたとしても、例えば受取時の為替リスクに直面することもあります。110円のドルの時に契約、受取時のレートが90円でしたら、それだけでも20%減価してしまいます。しかもドルから円、円からドルに両替する場合には交換する際には為替手数料も発生します。
購入時には円を外貨に替えるときのレート(TTS)を支払い、受け取り時には、また円に戻すときのレート(TTB)というあ為替レートの差額を負担しなくてはなりません。
銀行での両替では、払込時(円→米ドル)に1円、受取時(米ドル→円)に1円といった形で2回掛かります。10万ドルを掛けて、また円に戻すとすると両手で手数料が20万円も掛かってしまう計算です。
0.5円とかのレートでの外貨両替で対応できる場合もありますが、このコストは保険のパンフやに説明書にはあっさりと書かれている程度です。それだけでも為替リスク、両替手数料のダブルパンチを始めから抱えて契約する訳です。
貯蓄型の外貨建ての保険の元本は、もっと複雑です。まず満期時には元本が確保できる保険だと考えましょう。元本確保型でも、途中解約すれば大きく毀損します。
私たちは元本保証に慣れすぎていますから、これもそうだと勘違いしてしまう傾向もあります。でも外貨建て保険の元本保証とは、満期になれば掛け金が保障されという前提ですが、あくまで運用外貨の元本としての外貨を保障するという事です。外貨元本が保証されるという意味は、為替の動向によっては、元本割れするリスクがあるという事なのです。
これだけ多くの変動要素がある外貨建て保険ですから、投資運用に詳しくない方にとっては、説明されても理解できないでしょう。現在は、この苦情対応としてネットでの販売は行わず、対面販売に切り替わっていますが、契約者が重要事項説明を聞いても理解は出来ている保障はありません。
ただし、『理解しました』とサインをしてしまえば、それで完了です。その後、忘れてしまう方も多いでしょう。また、ご家族が解約を迫る事もあるかと思いますが、その時などは短期解約となり、2割・3割と元本自体が毀損することも珍しくありません。
つまり、日本の生命保険会社でお馴染みの『円建て保険』とは、外貨保険は、複合リスクとしては大違いなのです。本来の元本保証ではない、為替リスクが大きい、解約リスクも大きい、最後に手数料も大きいことを理解してご家族で納得の上で、解約しないで長期に運用すればリスクは多少軽減できるかもしれません。
とは言っても、元本目減りのリスクを取っても、積極的な資産運用をしたい。増やしたいと考える場合は、外貨建て保険はひとつの選択肢になります。リスクや元本割れを受け入れられない方や、そういったお金は外貨建て保険を選択肢に入れないほうが無難だということです。
最後の誤解 実は積立利率は運用利回りではない
外貨建て生命保険が選ばれる理由の一つに、日本よりも高い利回りがあります。パンフレットでは積立利率が3%といった商品もあります。ても、この積立利率は運用利回りとは違う意味なのをご存じでしたか?。
保険には、保険料の中に保険会社の運営経費と収益利益が含まれていて、掛け金の全額が3%で運用されるわけではないのです。知らない方も多いと思います。特に外貨建て保険は手数料ビジネス的な側面も高く、高いコストの商品も多いのです。それは運用という複雑で経費の掛かるコストが付いているからです。
保険料は、保険金の支払いに使われる純保険料と保険を運営する側のコストの付加保険料に分けることができます。先程申し上げたようにこれらの外貨保険は、付加保険料というコストが高いものが多いのです。この付加保険部分には、利率の適用はありません。運用に回している部分のみが高い積立利率が適用されるのです。
例えば、外貨建て保険の付加保険料はどの位の手数料なのでしょうか? 10年満期の米ドル建て一時払い養老保険の付加保険部分を考えてみましょう。1000万円を入金したとします。一時払い保険料ですから、契約時に保険料を一括で支払っています。
本来その利回りから得られる利回りからのお金と実際満期での金額を比べると、大きな差額が発生します。これが付加保険料の部分です。保険によっては、3%の積立利率が満期受取りから計算してみると1.98%だったなんてことがあるのです。つい受取金額だけを見て、契約しようとしていませんか。
保険とは、万一ご自身でどうにもならないものが発生した時にカバーするのが保険だと思います。入院で20万円もらうために50万円の保険を掛けるのは合理的な行動ではありません。それと同様に一時払いの外貨保険や長期積立ての外貨保険なども、加入を勧められた場合は、もう一度電卓で詳細に計算してみて得られるメリットとリスクについて考えてみましょう。
日本の定期預金0.001%と比較して高金利だからとか、「日本よりも金利が高い」からというだけで安易に外貨建て保険を契約してしまうと後戻りできません。金利だけでの加入はやめて、じっくりと必要性と有効性を考えてから決めましょう。
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今日のポイント
・外貨建ての保険のセールスポイントは、保険ではなく運用、それにはさまざまなリスクがついて回ります。
・元本確保とか元本保証とかは為替レートが一定の場合であり、為替自体に振り回されるおそれを覚悟する。
・販売が活発なのは、大きな手数料収入があるためであり、その収入は支払った保険料から出ています。
・例えば、積立て利率3%とは保険料すべてに3%が適用されていない。預金の利率とは全く違う。
長期保有をしてやっと外貨建ての元本が保証され、実質積立利回りも電卓で計算しないと分からないのが、外貨型保険です。為替リスクが取れて、元本割れも許容できる人や余裕資金が潤沢にある人、富裕層の方ならメリットもあるかもしれません。投資運用知識の少ない方が、利回りや年金代わりに飛びつくのは危険です。分からないものには、近づかない、分かっている方のみが運用するをお勧めします。
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